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ニセ謙譲をやめる
(2009/09/03 公開) 【ストレス防御!】
たまに「自分はまだまだです」とか「自分はダメだダメだ」が口癖になっている人を見かけます。謙譲の心というのは日本人にとって美しい精神世界と言えなくもないのですが、経験上、実は心理的にねじくれているケースも多々あるような気がします。それを私は「ニセ謙譲」と呼んでいます。
もちろん、自らを律して高いところを目指そうという精神から生まれる謙譲の姿勢もあります。それは立派なコトだと思います。でも「ニセ謙譲」のメカニズムはまったくそれとは異なるんじゃないかと思います。
「ニセ謙譲」は「自分はダメだ!」という言葉の裏に、他人からの「そんなコトないよ!」という合いの手を求めています。試しに間髪をいれずに「うん、ダメだね」と言ってみれば分かります。もし、合いの手を求めている人だったらすぐ分かりますよ。だって、一瞬、固まりますから。まぁ、無理して試す必要はないですけど。
「ひょっとして自分の低姿勢って単なる『ニセ謙譲』かも?」・・・と思ったら、少しずつでもいいので「ニセ謙譲」をやめてみることをオススメします。ただし、その反動で真逆にいかないようには気をつけたいものです。「自分ってスゴイでしょ?」とアピールしすぎる人は、間違いなく周囲からウザがられます。単純に「ニセ謙譲」をやめるだけでいいんです。
「ニセ謙譲」には二つのデメリットがあります。
まずは「自己暗示」で本当に「自分はダメなんだ」と意識に刷り込まれてしまいます。たとえ「ニセ謙譲」を言葉に出す時に「本気でそう思ってるワケないだろ!」と心の中で思ったとしても、自己暗示で無意識の中に吸い込まれていきます。そして精神的に弱っている時に、一気に溜め込んだ自己否定感が噴き出すんです。
次に「そんなことないよ!」と言われるコト自体が、自己評価の全てになってしまう危険性です。さらには、自分に都合よく「そんなことないのか。」と納得してしまって、それ以上に伸びようとする芽が育たなくなってしまう可能性もあるんです。この二つのデメリットが重なると前に歩けなくなってきます。
他人の「そんなコトないよ」に安心するから成長しない。自分自身に「ダメなんだ」と自己暗示をかけるからさらに成長しない。でも「そんなことないよ!」が心地よくて、また言ってしまう。
・・・もう、わかりますよね。ずーっとこの繰り返しです。
自分を無駄におとしめる習慣、やめてみるといいコトがあるかもしれませんよ?
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