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常識を怖がらない
(2009/06/01 公開) 【ストレス回避!】
「そんなことも分からないのか?・・・こんなこと常識だぞ!」
こういう言葉にへこんだ経験のある人は多いんじゃないでしょうか?
守った方が世の中で苦労しない基本原則としての「常識」はあると思います。これとは反対に「常識のフリをした常識」というものも世の中には蔓延しているように思います。
ほとんどの常識というのは、その常識を信じている人が暮らす環境で通用する常識です。私は多くの職場を体験してきました。それによって多くの知識と経験を身につけることができましたが、もっとも深く刻み込んだのは「常識」の多様性でした。
たとえば「おつかれさまです」と挨拶すると、「非常識だ!」と叱り飛ばされる会社がありました。その代わりに「ご苦労さまです」と言わなくちゃいけない。たとえ上司に対してであっても。何かおかしいなと思っても、その環境の常識なのだから仕方がないんです。
極端な例を挙げましたが、でも、それぞれの職場環境に転がっていた常識は、その常識を必要とする狭い領域での常識に過ぎませんでした。その常識の世界の住人は、それ以外の常識が世の中にたくさんあることを知らない人が多かったように思います。
たまに革新的な仕組みを世に送り出す人がいます。それはビジネスであったり、発明であったり、芸術であったりします。だいたいそういう道に踏み出すのは、圧倒的大多数とは違う動きや考え方をする人が多いようです。一般的に「非常識」と呼ばれるような。
常識を知っていて、かつ非常識の世界に踏み込む・・・のが理想的なのかも知れませんが、そうじゃないからこそ、ダイナミックさに溢れた発想力が生まれるんだと思います。だからこそ、常識にこだわる人には見えない世界を見つけることもあると思います。
多くの場面で主張される「常識」は、その人の持っている価値観を表していることがほとんどです。自分が身を置いている環境における「常識」を尊重することも大事なことですが、その一方でその常識の外側からの視点を持っていることにも価値があるのではないでしょうか。中に入り込めば入り込むほど見えなくなることは多いのです。
だから、常識について何か言われても気に病む必要はどこにもないと思うんです。その人にはそういう文化があるんだな・・・と理解すればいいんだと思います。結局、常識なんてもの人間の数だけ存在するんですから。
常識に縛られないで、ラクに生きていきたいものです。
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