夢のサブディスプレイをAndroidで

生産性が確実に違うサブディスプレイ

最近、出入りしているIT現場には机の上に大きなディスプレイだけが置いてあります。全員ノートPCで好きなところに座ってよいことになっています。つまり、このディスプレイは単一の画面でプレゼンに使うもよし、複数画面で複数ドキュメントを開いて使うもよし……という理由で置いてあります。

今まで多くの現場でお世話になりましたが、フリーアドレスの環境でディスプレイが置いてある現場は今のところが初めてで、効率性についてよく分かっているなあと感心しました。たくさんの資料を読み込まなければならない時、特に比較を含めた精査が必要な時には、ウインドウの切り替えは時間と労力の無駄です。

このあたりはGoogle先生に「サブディスプレイ メリット」とか「サブディスプレイ 効率」あたりを入力すれば、星の数ほどメリットについて教えてくれるので、そちらを参考にしていただければと思います。こんなに便利なサブディスプレイなのに大きな課題があるのです。

それは、家族(主として配偶者)の理解がなければ置かせてもらえないということです(涙)。しかも便利なディスプレイとなると大型になるので、より、交渉が難しくなります。そもそも自宅内で作業場が確保できないとなると、外にでかけなくてはいけないシーンもあります。(子供達の襲撃回避とか)

 

ぱっぱぱ~ん♪「どこでもサブディスプレイ~!」

そんな時に役に立つのが「Splashtop Wired XDisplay」というAndroid用アプリです。(ちなみにAppStoreでもiPhone用アプリとして販売しているようです)これを使うとタブレットが実用性を十分に備えたサブディスプレイに早変わりしてくれます。このカテゴリのアプリとしては実用性という点が特に重要です。

このアプリとPC、そしてタブレット。それから通信可能なUSBケーブルがあれば、いつでもどこでもサブディスプレイが使えます。もちろん、持ち歩き可能なサブディスプレイはすでに製品としては存在します。しかし、サブディスプレイ専用機はPCに繋げない限りはただの荷物です。

しかし、このアプリでサブディスプレイに使うのはタブレットです。そしてPCに繋げるまでは普通のタブレットとして独自の操作や処理が可能なのです。つまり、今までのアイテムに使える機能をプラスしただけというところ。これが実に大きなメリットなのです。逆にサブディスプレイ専用機の存在感は消えたといっていいでしょう。

実はアプリとしては似たようなものは過去にもありました。正直なところ、閲覧用ウィンドウとしてならギリギリ使えるかなというラインの品質で、タブレットをサブディスプレイとして使うようなものはあったのですが、とにかく反応が遅すぎてサブディスプレイとして手放しで喜べるような品質のものはありませんでした。

◆おお!普段使いのXperiaタブレットがサブディスプレイになったぞ!

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ほとんど画面の遅延は感じられない

このアプリはワイヤレス対応版ではありません。優先のUSBケーブルで物理的にPCとタブレットを接続します。正直なところ、ワイヤレスの方が便利そうな気がしますが、USBケーブルで物理接続をしているおかげか、ほとんど画面の遅延は感じません。もちろんサブディスプレイ専用機に比較すれば多少は遅延があります。

これまでの類似アプリを実用にできなかったのは、反応速度の鈍さと不安定さがありました。反応が遅すぎてマウスカーソルがどこにあるのか分からない。そのまま意識不明の状態になってアプリが固まったり強制終了してしまったりと、ストレス軽減どころが増進効果がありました。しかし、このアプリは違います。

なお、このアプリでサブディスプレイを使うためにはPC側(WindowsまたはMac)にもアプリをインストールする必要があります。そのPC側の設定画面で、次のような項目があるので、これをすべて「High」に変えておくことをオススメします。かなり自然な動きで操作できるようになります。

◆Windows側の設定画面(フレームレートと品質のタブを「High」にしておく)

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ちなみに、このアプリは有料で822円です(2016年8月11日現在)が、このアプリのページからリンクで無料版アプリに飛ぶことができます。無料版は接続後10分で切断されてしまうのですが、本当に動くのか分からないまま822円を払うのはもったいないので、必ず動作を試してみてから購入するとよいと思います。

 

瞬時に縦横画面の切り替えができる

これ、本当に素晴らしい機能です。サブディスプレイにタブレットを使っているので、横画面で見づらいなと思ったら、ついついタブレット使いの習慣で縦置きに変えてしまうのですが、そんな時にこのアプリは瞬時に横画面と縦画面を切り替えてくれます。

◆PDFを読む時は横画面のままだと読みづらいけど縦にすると画面も縦になる!

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横画面、縦画面を設定からいじることなしに、自然な動作で横と縦の画面の切り替えができるのは便利です。こういう使い方が自然にできると、大型のサブディスプレイでなくても、PDFファイルやWordファイルなど縦画面の方が使いやすい作業をする時に重宝しそうです。

 

なんとAndroid画面でタッチ操作ができる

これ、個人的に恐ろしく便利だと思います。なんとAndroid側のサブディスプレイではWindowsがタッチパネルの挙動をします。元々、タブレットはタッチパネル操作が基本なのですが、このサブディスプレイでは、それとほぼ同じ感覚でWindowsを使うことができます。

◆Windows標準アプリのペイントを使って指でお絵かきができます

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この機能は、タッチパネルPC自体よりも便利なんじゃないかと思います。というのが、いつでもタッチパネルを使いたいわけではないからです。タッチパネルPCを使っていて、「ねえねえ、ここ、見てみて」と画面をうっかり押そうものなら違う画面に飛ばされたりと意図しない動きをしがちです。

それでも、タッチパネルを使った方が便利な局面もあります。そんな時にこのアプリで使えるようになったタブレット側サブディスプレイで操作をすればいいのです。これはほとんどWindowsタブレットのようです。タッチセンサーもデジタイザ(電子ペンと専用下敷きのセット)もいりません。

 

残念ながら複数のAndroid同時利用は無理

私は過去のタブレットも使えるものは残しているのですが、このアプリは相当古いモデルでない限り、ほとんどのAndroidデバイスがサブディスプレイとして動作できるようです。実用的にはタブレットでしょうが、スマホでも動作します。まあ、使い方はかなり限定されると思うのでアイデアは思いつきませんが。

さて、私の場合は新旧合わせて二つのタブレットがあって、どちらもこのアプリに対応しているので、これはトリプルディスプレイ環境ができたのか?……と、思っていたのですが、さすがにそれは対応していませんでした。同時にUSBで制御できるのは1つのデバイスまでのようです。

トリプルディスプレイまでいければ完璧だったのですが、まあ、そうでなくても、空いているタブレットをサブディスプレイにできるだけでも十分に感謝です。途中で切れてしまったりしないので、安定して作業を続けることができます。追従速度も多少は引っかかりを感じることはあっても利便性を妨げるほどではありません。

結構、サブディスプレイにできるアプリについては探していたのですが、なかなかいいものを見つけられずにいました。目をつぶることのできない欠点にお金を払う価値を見いだせない状態が続きましたが、このアプリについてははっきり明言できます。これはサブディスプレイほしい人は買って間違いないですよ!……ただし、必ず事前に動作確認をしてくださいね!

それでは、また!

 

【注意】

なお、ADBドライバというものがAndroidに入っていないと動かない模様です。私は最初からADBドライバを入れていたので困らなかったので気づきませんでした。

ただ、ADBドライバはいれておいた方がいいものなので、調べて入れておくことをオススメします。これはAndroidが壊れてしまった時に、PCから修理をするのに必要な作業です。

特にメーカーの保証期間が過ぎてしまっているものだと、修理依頼に手間取ってしまったり、高額な費用を請求されることがあります。そうならないように自分で直せるように準備しておくとよいでしょう。

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