AndroidならTexpandで効率入力!

Texpandプロ版が日本解禁!

大事なことです。結論から書きましょう。Androidで効率的な文字入力を実現するための切り札「Texpand」が、ついにプロ版が日本で利用できるようになりました。これでAndroidでも快適入力ができるようになります!
これはニュースです!

Texpand – Text Shortcuts

実例でわかるTexpand

……結論から書きすぎて、これでは何が何だかわかりませんね。
では「Texpand」を使った便利なシーンから、ごらんいただきましょう。

辞書登録できない複数行を入力できる!

たとえば、テキストエディタに「ありり」と入力すると……

緑色のチェックマーク(画面中央)が表示されました。押してみると……

あらかじめ登録済みのメールテンプレートが複数行表示されました。

入力の効率を高めるためにIMEの辞書登録をする人は多いと思いますが、複数行にわたる辞書登録は通常できないので、この機能が使えるだけでもTexpandの便利さがわかると思います。しかし、Texpandの魅力はそれだけではありません。

現在の日付や時刻の挿入ができる!

次は「さんにき」と入力してみました。緑色のチェックマークを押すと……

ある方面で有名な「三行日記」のテンプレートが表示されます。

ここで注目するところは、その時点の日付と時刻が入力されていることです。日付時刻以外では直前にコピーしたクリップボードの内容や、テキスト挿入後のカーソル位置も指定できます。

プロ版で便利になる顔文字入力!

ちょっとしたチャットで顔文字を入力したい時に威力を発揮する機能として、ひとつのキーワードで複数の候補を登録することができます。これはプロ版限定の機能ですが、とりあえずご覧いただきましょう。

おもむろに「ああわく」と入力すると、いつものチェックマークが表示されます。

「ああわく」(アスキーアートわくわく)で、わくわく系の顔文字が選べます。

こうすると顔文字を使いたいタイミングでどんどん送れるようになります。

さらに「ああ」(AA)に続くキーワードを忘れても、オレンジ色のサジェストマークを押すと……

「ああ」から始まるキーワードが一覧表示されるので、全く困りません。

チャットやゲームにも活躍!

エディタだけでなくゲームなどでも使えるので、使い道が広がります。

顔文字用キーワードで登録されたAAを選択すると……

一見、ぐちゃぐちゃに文字が入力されているように見えますが……

このように辞書登録では不可能の長さのペーストも簡単にできます。

クラウドを使ってマルチデバイス!

この機能だけでも結構便利なのですが、複数台のスマートフォンを使っている場合に、キーワードの登録内容がバラバラになってしまうのはいただけません。でも「Texpand」はGoogleドライブに対応しているので心配いりません。

たくさん登録したキーワードを複数台に登録しなおしたくない!

でも、Googleドライブに気軽にバックアップが取れるのでした。

タブレットでバックアップしたデータをスマホで受け取ります。

重複したときに上書き更新するか無視するかを聞かれます。
ここでは「上書き更新(Update)」を選びました。

タブレットでバックアップしておいたデータを選びます。

これでスマホ側でも省略入力データが共有できます♪

体験版を使ってみよう

便利とはいうものの、自分が持っているAndroidで使えるか分からなかったり、自分が実際に使ってみて使いやすいかどうか分からないのは不安です。やはり事前に確認しておいた方がよいでしょう。まずは体験版を入れてみましょう。

まずはGooglePlayで「Texpand」を選びます。(体験版)
Texpand – Text Shortcuts

インストールしたら開きます

アシスト機能の権限を付与するか聞かれるので「OPEN SETTINGS」を選びます

設定画面が開いたら「Texpand」を選びます

offになっているスイッチをタッチします

利用するか聞かれるので、もちろん「OK」を選びます

「DISABLE BATTERY OPTIMIZATION」を選びます
(この設問で電源最適化を有効にすると不具合が出ることが多いのです)

ひとつ前の画面と同じことを聞かれていますが、ここでも「はい」を選びます

これでやっとセットアップが完了です。右下の緑色のボタンを押して……

好きなキーワードと文章を登録するとすぐに使えます。

いくつかの注意点

そんな便利な「Texpand」ですが、いくつか注意点があります。

無料版は10個までしか登録できない

もっとも、キーワードを10個登録した時点で、だいぶ「Texpand」を使いこなしてきている状況かも知れません。有料版にすると、無制限にキーワードを登録できるようになるほか、一つのキーワードで複数の文章登録もできるようになります。

プロ版といってもお値段はお求めやすい330円なので、自販機のコーヒーを2回我慢したくらいの金額です。それだけで所有Android複数台で使えるなんてお得すぎます。ぜひ買っちゃいましょう。

実は、少し前まで、このプロ版を購入することができませんでした。プロ版を購入しようとすると「お住まいの国でご利用いただけません」という、つれないメッセージが表示されていたのです。

ダメモトでコメントに日本でも使えるようにしてほしいと拙い英語で書いてみました。

で、2日後になんの気なしにGooglePlayを覗いてみたら、なんと330円で買えるようになっていました。以前から日本の国対応を準備しておいてくれたのかもしれませんが、私にとっては「神対応」というやつです。
本当にありがとう!

仮に納得できない内容だったとしても330円。納得できたとしたらほとんどタダみたいなものです。

基本的に「テキスト」補完しかできない

こちらは無料版・プロ版いずれも該当するのですが、「Texpand」はその名の通り「テキスト」が補完対象になります。

「テキスト」というのは、フォントの大きさや色や装飾などをしない文字データのことです。そのため、Googleドキュメント、Wordなど、文字装飾できるアプリケーションでは補完機能が使えません。

多くのAndroidアプリではテキストデータを入力することがほとんどなので、困ることは少ないのですが、GoogleドキュメントやWordを多用する人は知っておいた方がいいでしょう。

開発者もすでにこの課題を把握しているようですので、できるだけ早い解決が待たれます。(または、テキストだけに特化するという方向性を明確にするのかもしれませんが。)

IME登録との棲み分け

「Texpand」を使ったからといって、それまで使っていたGoogleIMEやATOKの辞書登録が不要にはなりません。日常的な変換でメインになるのはIME辞書となるでしょう。「Texpand」はあくまでも「Android専用の頻出文例変換」として補完的に使うのがいいでしょう。

辞書登録マニアの方々向けにメッセージを発信するとすれば、IME辞書の効率化は通常変換と干渉しないように工夫する必要がありました。たとえば、

「いそ」→「お忙しいところお手数をおかけしております。」

と登録すると、「 いそいそ と出かける」という文章を入力した時点で誤変換が発動します。それを避けるために、

「いっそ」→「お忙しいところお手数をおかけしております。」

と登録すれば、「 いっそ 、このままどこかに行きたい。」で、誤変換が発動します。

だから、IMEマニア達は、
「sgt」→「お忙しいところお手数をおかけしております。」
※「sgt」←「Oi S o G asii T okoro」

のように、あえて子音字だけで略語登録を構成したりするのですが、少なくとも「Texpand」はIMEとは個別に文字挿入の仕組みが動作するので、IME辞書との干渉を考えなくてもいいというのは非常にメリットです。

使いどころは?

これと同じような機能として、PCでは「PhraseExpress」というソフトウェアを使っています。これもIMEとは個別に動作する仕組みで「Texpand」とほぼ同じ(というか、それ以上の)機能を使えるものです。で、私は次のように棲み分けを考えています。

【IME辞書】

  • 日常的によく使う用語登録
  • 日常的によく使う略語登録

【Texpand/PhraseExpress】

  • 複数行にわたる文章登録
  • 月日時刻その他の動的入力
  • 頻度が特に高い略語登録
     →Texpand:Android専用のキー配列で登録
     →PhraseExpress:PC専用のキー配列で登録

個人的な今後の挑戦

Android用の「Texpand」と、PC用の「PhraseExpress」のデータをどのように共有するかという点に興味があります。そもそもキー配列が違うので、全く同じキーワードではあまり意味をなしませんが、一方で、あまりにルールが違いすぎると記憶しなければならないことが増えます。

デバイスを使って効率化する背景には、限界や劣化のある人間の能力を超えたいという欲求があります。そして「記憶力」もそのひとつです。つまり人的な記憶力に依存した効率化というのは、 仕組みとして美しくない と私は思います。

いいアイデアが思いついたら、ここに書いてみたいと思います。
それでは、また。

生き延びるための武器を磨く

能力に自信がなくても勝つために!

私が生きている中で最もわくわくするのは「効率化」を考えることです。むしろ、私が「効率化」なしでは生きていけないほど不器用であることも深く関係しています。効率化を考えることは私にとって生きることそのものです。効率化がなければ労働力としての価値はないといっても過言ではありません。

不器用な人間が効率的であるためには、思考の繰り返しを極力避けることが必要になります。なぜなら、毎回、思考力を試される局面を乗り切るためには、低コストで高速な思考力が求められるからです。いわゆる頭の回転が速く、要領よく物事を処理できるようなタイプしか乗り切れません。

はっきり書いておきますが、私は頭の回転は速くありませんし、要領のよいタイプの人間ではありません。だから、負けたままにしておくのかといえば、そうではありません。私のように頭の回転力が早くない人間には、早くない人間なりの戦略を立てる必要があるのです。

 

武器を作るための才能とは!

武器とはなんでしょうか。古代においては棍棒、ナイフ、剣。近代においては銃、戦車、軍艦、戦闘機、ミサイル……など様々なものがあります。少なくともよほどのスキルに差がない限り、武器を持った人を相手に素手で勝つことは困難です。(もっとも「戦闘スキル」自体も「武器」といえるでしょう)

このように武器があることが大きなアドバンテージになるわけですが、武器には共通の課題があります。それは事前に準備しておかなければならないことです。目の前に敵が迫ってからミサイルを用意することは不可能です。ナイフですら作る時間を与えてはくれないでしょう。

また、武器を作るためには戦闘技術以外の知識とセンスが必要になります。実際の戦闘で必要ではない技術が必要になることも多くなるでしょう。素早さよりも洞察力や観察力が問われます。つまり、頭の回転が決して速くなくとも、それを補うほどの深く丁寧な思考力があればよいということです。

 

効率化はパターンを分析すること!

「武器」という軸で「効率化」を考えると、過去の戦いの分析によるパターン化は避けて通れないはずです。特に「なぜ負けているか」という分析が正しくできなければ効果的な武器を作ることはできません。たとえば「弓矢」という武器を生まれるまでの思考を追えば明らかです。

過去の戦いで接近戦に持ち込まれたら無敵の強さを誇る敵がいるのであれば、今後も接近戦で負け続ける可能性は限りなく高い。接近戦のスキルを高めることができるにせよ、それまでに多くの戦力を失うことでしょう。特にマイナススキルを上げるには多くのコストが必要になります。

この場合「接近戦では負ける」という敗因パターン分析結果を元に「接近戦に持ち込ませない」ための手法を考えることが重要です。そのために、接近戦に持ち込ませる前に敵戦力に致命的なダメージを与えるための「弓矢」が必要になってくるのです。

 

自分自身を信じる戦いの先に!

この武器を扱うにおいて、気をつけるべきポイントがあります。それは味方の声に惑わされないことです。もしかすると「弓矢」を使うことに対して、接近戦に自信のある同僚から「努力不足だ」「卑怯だ」「間違っている」という言葉が浴びせかけられるかもしれません。しかし貫くことです。

武器を持ったことの意味をよく考えてみてください。そのままでは勝てないから、すこしでも勝率を上げるために武器を手にしたのです。ここですべきことは同僚の声に負け武器を捨ててマイナスの努力をすることではなく、手にした武器を誰にもまねできないほどまで使いこなすための修練です。

たとえば職場で「君の考えは分かるけど、それは間違っている。」という声を受けたとしても、もし、自分自身の中で納得感がないのであれば絶対に考えを曲げるべきではありません。武器を捨てて失敗してしまったとしても、その責任を取るのは武器を捨ててしまった自分自身です。

 

臥薪嘗胆を恐れるな!

自動車が世界で初めて発明された時、その時代の多くの人は自動車を馬鹿にしたといいます。なぜなら、人が簡単に歩ける10メートルの距離を、時間と燃料を書けて僅かなスピードで前進するのが精一杯だったからです。「それなら歩いた方が早い」と馬鹿にした人の方が多かった。

効率化はこのように、時代や価値観が追いつけない時期にじっと堪え忍ぶ必要があります。自分が生き残るための武器(アイデア)を快く思わない人がいることもあります。しかし、その芽を決して自分から捨てないことが何よりも重要です。この世の批判から守ってあげる必要があります。

もしかすると、その効率化アイデアを活かす場所は今の職場ではないのかも知れません。何より大切なことは効率化アイデアを守り育てることです。自分が生き残るための武器を簡単に捨てないことです。武器の有用性を信じるのであれば、その武器の価値が分かる人に出会えるまで磨ききることです。

ダメな人なりのTaskchute2

世の中にはすごい人多すぎ!

……と感じている層のためのブログでございます(苦笑)。そうそう。ブログを読むとね、「私はこういうの、完全に普通だから……」みたいな、すごい人、多いじゃないですか。嫌みのつもりではないんだろうけど、読めば読むほど「あなたとは違うんですよ」的なオーラが漂っていて近づけない感じのブログ。

と、そんなわけで、トップダウンアプローチでなく、私はボトムアップのアプローチで、低いところからじりじりとあがっていくスタンスのコンテンツを提供する所存です。さて、そんな視点でTaskchuteについて書いてみようかと思います。私はTaskchuteを使い始めてから数年経っています。具体的には3~4年というところでしょうか。

そもそもTaskchuteってなんなのかというと、

  1. 有料のExcelマクロです(無料版もあります)
  2. タスクを管理するツールです(時間の記録ができます)
  3. 作業時間の見積もりができます(何時に帰れるのか)
  4. かなり緻密な繰り返し設定ができます(最終営業日の2日前……とか)

というものです。もっとすごい詳しい人が書くとさらに書けるのでしょうが、少なくとも私がありがたいと思っている主な要素は4点です。……で、数年も使っているのだから、そうとう使いこなしているのでしょう?……と、言われると、ぜんぜんそんなことはありません。開発者に申し訳ない限りですが。

 

 

残念な人はTaskchuteをどう使っているのか

たとえば、すごい人はTaskchuteに「7つの習慣」の概念を組み合わせて使っていたりします。具体的には「急ぎでかつ重要」「急ぎだけど重要じゃない」「急がないけど重要」「急がなくてもいいし重要でもない」という4つの領域分けをするという具合に分類したり。もちろんそういう消費時間のチューニングは重要です。

ただし、残念ながら誰にでもできるようなことではありません。もちろんできた方がいいには違いないのだけど、モノによっては急ぎなのかどうかも分からないものもあります。たとえば、複数人でプロジェクト計画を立てていたとして、最初大急ぎでやっていた作業が、他の作業の進捗によって優先度を下げてもいい内容に変わることもありますし、その逆もあります。

そんな言い訳もありながら、私は多くのTaskchuteエバンジェリストのように華麗なTaskchute使いではありません。あえて異論を正々堂々と書くならば、他の人にとっていいソリューションが私にとって最適とは限らない。……ので、私にとって最適な方法でTaskchuteを使っています。ということでしょうか。

では、どのような私がなぜTaskchuteを使っているのか。どのような用途で使っているのか、を書いてみます。

 

(1) 今何をしていたのかを思い出したい

若年性健忘症というわけでもないはずです。そもそも若年ではありませんので……という残念な脇道はさておき、集中することが目の前にあると、メールをチェックしていたはずが、メールの内容にのめり込み、さらにはその添付ファイルにのめり込むというアクシデントは痛すぎます。

そうならないように、15分タイマーをよく使います。音が鳴ると恥ずかしいので静かにピカピカするキッチンタイマーです。うまくTaskchuteのタイムライン上を走れている時は必要がないのですが、たまについ何かに没頭している時にタイマーが光ると、「あ、ヤバい。何してたんだっけ?」とTaskchuteに目をやると、本来やっていたはずの作業に戻れるので便利です。

この没頭防止タイマーですが、15分間隔だと、少なくとも1分は自己管理ができる範囲だとして、最悪14分間は無駄な時間を作ってしまうリスクがあります。しかし、これを5分間隔にしてしまうとさすがに今度は集中力を削り始めます。なので、いろいろと試行錯誤した挙げ句に今は15分間隔で仕掛けています。

ちなみに、「1時間は資料作成をする」と決めて実施している場合でも、15分タイマーは有効です。集中すればするほど体感時間は短くなるので、1回目のタイマー点滅で残り時間4分の3です。たいていそんな時の気分としては「まだ15分しかたっていないのに」というところですが、泣いても笑っても4分の1を消化してしまったのです。

今のペースで終わりまでどのくらいかかるだろうか。何かを削るべきか、削っても無理なのか、もしかすると進め方を変えるべきか。提出期限があるものであれば、スコープを縮小する交渉の余地はないものなのか。仲間のいるものであれば、一部をお願いして並列作業で進められないか……などなど、節目で戦術を考えることができます。

 

(2) 次に何をすべきか忘れてしまいたい

これはTaskchuteを使っていて最も助かる機能のうちのひとつです。毎日の繰り返しタスクなどは順番が決まっていても、それを暗記するのはやや面倒です。たとえば、朝に、昨日の作業実績を書いて、その次に……と続くのですが、そもそも私は暗記が苦手です。というか、Taskchuteを使う以上はタスクの暗記をしてはいけないと考えています。

なぜなのか。暗記ができるくらいならTaskchuteはいらないからです。私は記憶力に自信がありません。むしろ記憶力に頼った時には何かを忘れるリスクが増えているとすら考えています。なので、あえて記憶に頼らないことでタスクの安全性を確保しているのです。苦手な記憶力で脳に負担をかけるよりは、集中力にパワーを振り分けるために忘れてしまいたいほどです。

それから、タスクの暗記をしない理由は、前日の作業によって次の日の手順を変えた方がよい場合があります。たとえば何かの報告を翌朝に行う場合。前日の作業で、報告の前に確認タスクを入れてからの方がいいなと思った場合、翌日の該当タスクの前に、確認タスクを追加しておくのです。

こういう運用をする場合、タスクの暗記はリスクにしかなりません。うっかりタスクを実施してから、その前段階に行うべき確認忘れに気がつくことになります。なので、Taskchuteを使うなら使うで、タスク管理は依存しきってしまった方が安全性はむしろ高まると考えています。もちろん電子データの消失リスクに備えてアナログメモもさっと残しておくわけですが。

 

(3) 何をしたか思い出すのに苦労したくない

Taskchuteを使っている時の特有のありがたみとして、「今日は忙しかったな。でも、何で忙しかったんだろう?」というモヤモヤが残ることは「ほぼ」なくなりました。何で忙しかったのかというのは「だいたい」追うことができます。今日できたことと、できていないことがだいたい把握できます。

本当はレビューをするのが最適なのですが、私は残念ながらそこまではできていません。書きっぱなしです。とはいえ、意外とひとつの作業をしていて、その数週間後に類似案件をしなければならなくなった時、何にどの程度時間がかかるのか……というのは追えるようになっています。

たとえば提案書を書くのに、どの程度調査に時間を要したか……などの過去実績は役に立ちます。やや、残念な事例を書くならば、「自分への期待値」と「その残念な結果」を知ることができます。このくらいなら1時間でできるだろうと踏んで、実際には3時間かかってしまっていたとか。

ちなみに、できうる限り正直ベースで記載するようにしています。誰に報告するというものではなく、自分専用のログなのでかっこつけても仕方ありませんし。なので、体調が悪い時は休憩時間が増える傾向にあります。Taskchuteが地味に便利なところとして、カテゴリ毎に色が塗り分けられます。

なので、先ほど書いたとおり週次レビューなどはしないのですが、一日使っているだけでも、「あれ?ちょっと今日、休憩時間が多すぎだな……」と気づくことが容易になります。記録していないと、ちょこちょこととる休憩はさほど気にならないかもしれませんが、客観的な数字として残るとなると注意を向けることができます。

 

思い通りに記録できなかった時にどうするか

正直、ここがTaskchuteエバンジェリストとの決定的な違いでしょう。Taskchuteの理想的な使い方は分単位で計画して、分単位で記録することと言われています。逆にそのガイドラインが「完璧主義者」を断崖絶壁に突き落とす原因になるんじゃないのかと感じているところです。「完全にできないのならやめてしまえ!」という気持ち……とても分かります。

ぶっちゃけ、何か作業をやっている時に、「すみません、ここなんですけど……」と来られたら、Taskchuteに目をやる前に、その人の顔を見ます。「ああ、あの件ですね」と言いながら、なんだっけと必死で思い出す(苦笑)。その脳内検索時間にCPUをとられている間なんかにTaskchuteの操作なんてできませんよ。

また、そんな状況なので、割込みタスクを入れるにしても、何を入れればいいのかとっさに分からない。目の前の人が誰だっけ?……という状況すらあったりします。(多数のプロジェクトに関連すると、新規プロジェクトのメンバーが初顔あわせしたばかりという方もいらっしゃるので。)

気がついたら打ち合せが始まってしまっていて、終わった時間だけ分かっている……という時、以前はできる限り思い出して時間の記録を遡ってしていました。それが完全にできないこともフラストレーションに繋がっていました。だって、想像で時間記録しているわけですから、時間的錯覚をそのまま記録しているのかもしれないのです。

メールを出した時間など、作業終了時間の目安になるものがあれば、そこから記録の保管をすることは可能です。しかし、入り組んだ状況だったりすると、記録忘れを補完するために数十分かかりかねない状況になることもあります。すると非常にバカバカしい記録が残るのです。「Taskchuteの記録補完(22分)」とか。

そこで、決して褒められる方法でないことは承知していますが、記録忘れが分かった時点で、それまで実施しているはずだったタスクを一旦終了させます。そして、終了時コメントに「○○の件打合わせ。××さんに電話。☆☆についての調査を含む。」と書いて終わりにしてしまいます。

非常に残念ながら、前タスクがほとんど終わっていない場合は、前タスクの開始時刻を空白に戻し、「使途不明」というグレーの枠を新たに挿入して、そこの終了時コメントに同様にやったことの概要を記載します。記録としては残念だし、自分の中の「完璧主義者」がうずきます。しかし、それでいいのです。

 

ひとつのルール違反のためにやめるのか

理想型というのはあるでしょう。おそらくTaskchuteにもあります。全ての割込みを確実に記録に残し、緻密なタスク計画を分単位で完遂していくこと。これがパーフェクトにできている人はおそらくいることでしょう。しかし、私は数年使ってみてもそのような使い方は未だになじめません。

特に独立していて一人で動いていた時には、そこそこタスクログも記録できていたような気がしますが、サラリーマンに戻ってみると、無視できない人はたくさんでてくるのです。エライ人がやってきて「ちょっといいですか?」と聞かれている時に、「ちょっと待ってくださいね」とTaskchuteに割込み記載なんてできません。

ましてや、「割込み◆山田さん」(仮に割り込んできた人が山田さんだったとして)と書かないまでも、「山田さん」とTaskchuteに記載するところを見られたくもないのです。おそらく私の感覚だけの話だと思うのですが、なんかそれはとても失礼なような気がするのです。(後からこっそりと書くのはアリだとしても)

まあ、そこから呼ばれて、打ち合せになり、そこから人が増えて確認事項対応をして、調査して……という流れでTaskchuteをコースアウトすることも少なくはありません。基本的にノートPCよりもA4アナログノートを持って打ち合せをすることが多いので、打ち合せになるとTaskchuteの記録は途絶えます。

もう、やめちゃおうか……と思ったことは過去にたくさんあります。特にTaskchuteを使いこなしているようなブログを読むと、「ああ、素晴らしいけど、そこまでやるの、きついよ。」って。

それでも、結果的に私はまだTaskchuteを使っています。本来の運用から見ると、フル機能を活かす使い方ではないにせよ、私なりに使い道があるからです。すべての道具が万人にとって万能にならない以上、そういう割り切りで使うと方向性があってもいいと考えています。

逆にそうやっていくと、優秀な人たちが気づかない使い道に気づけるのかも知れません。私はTaskchute優等生とは違う道を歩くしかないように感じているのですが、そこにこそTaskchuteに適応できなかった人に対するソリューション提供ができるんじゃないかなと思っています。

ま、Taskchuteに限らず、このブログではそんな視点をお伝えしていければいいのかなと思っています。

それではまた。

自分、再起動!

人生は短い。そんなことを言われても日々に埋没してしまうものです。

本当にやりたいことから目をそらし、時間を無駄に使い、ただ浪費する日々。

 

そもそも、「本当にやりたいこと」とは、なんなのか。

それは準備しないとできないことなのか。誰のためなのか?

 

 

私がやりたいこと。

それは不器用ながらも工夫で日々をよりよくしていくこと。

そのためにあるべきマインドセットを常に意識して改良を加えていくこと。

その情報をシェアすることによってラクになれる仲間を増やしていくこと。

 

このブログも、「もっとコンセプトを」とか「ゴールは何か?」を考えていました。

いえ、考えていたフリをしていました。

ろくに考えてもいないのに、ただいたずらに時間だけをかけていました。

 

私は「本当にやりたいこと」の「準備」に時間をかけることはやめにします。

「やりたいこと」は長大な計画の先に必ずしもあるものではないと思います。

走り始める前から、走った時や、その後のことを想像するには限界があります。

 

まずは走り始めます。